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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,667 字 · 95 頁
それで凍上の起きる土地では、融解期には毎年々々新しく砂利を入れて、線路の補強をする必要がある。
冬中の人件費と、犬釘を何度となく打ち換える為による枕木の寿命の短縮と、挟木その他の資材という風に算え上げると、凍上の被害は案外大きい額に上る。北海道だけでも、その額は一冬に百五十万円に達するという話である。それだけの金を、毎年々々全く無駄にするばかりでなく、この頃のように、すべての資材が不足して来ると、この被害は単に金額だけでは論ぜられなくなる。
被害といえば、北海道などは何と言ってもまだ話が簡単であるが、北満地方では、問題はもっと深刻になる。旧の東支鉄道から北の方へ、ソ満国境に向けて引かれた沢山の線路がある。これ等が凍上によって著しく冬期の運輸が妨げられるという風なことがあれば、これは国防上からも一日も忽せに出来ない話である。
こういう風に考えて見ると、凍上の問題が今まで余り研究の対象とされなかったのがむしろ不思議な位である。もっとも現在の日本の科学の程度では、すべての問題がそうであるのかもしれない。いずれにしても、この大切な問題である凍上の現象が、実は霜柱の本性が分れば大部分究明されるらしいことが、最近になって分って来た。