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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,667 字 · 95 頁
ところが、水蒸気が下層の比較的暖かい場所で氷から蒸発する時には、一グラムについて六百八十カロリーの潜熱を奪う筈である。それが地表近くまで昇って来て、冷い砂利裏に凝縮する時には、勿論その六百八十カロリーの潜熱を出す。その熱は寒冷な外気の方へ逃げるので、結局この水蒸気の移動によって、熱が大量に地下から外気の方へ運ばれることになる。そうすると砂利層については、単に石の熱伝導度が土の十倍であるなどと簡単には言うことが出来なくなる。全体として見ると、もっと著しく熱を伝え易いものであろう。従って砂利を厚く入れてもその下の土は凍るので、砂利だけで凍上を防止しようとするのは、余り利口な方法とは言われなくなる。このように顕微鏡の視野の中で、霜の結晶が色々と大地の秘密を囁いてくれるのをきいていると、寒さのことなどはつい忘れてしまうのである。昔の仙人は、石や鳥から色々なことを聞いたというが、そんなことも万更嘘ではないのかもしれない。
砂利層はそれで、大気の寒冷を下の土壌に伝える点において凍上に関係するが、凍上の量自身には余り関与しない。凍結によって持ち上って来るのは、主として路盤の凍上である。