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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,667 字 · 95 頁
それに友人Y君が案内に立とうという話もあって、難なく待望の壁画を見ることが出来たのであった。そして今も眼底に残る数々の像を思い見ながら、大和まで足を伸したことは十分酬いられたと感謝の気持になっている。これも仏縁の一つのあらわれであろう。
法隆寺へ着いたのは、十一月の三日であった。毎年のことながら、明治節の空は高く澄み上って、沢山の参詣者たちは、誰もこの絶好の秋日和を愉んでいるように見えた。久し振りで北海道から出て行った私には、特に周囲の景色が心に沁みて嬉しかった。
Y君はちょうど今壁画の摸写をやっている森田沙夷氏を知っているというので、先ずその住所を訪ねることにした。それは直ぐ分って、私たちは白く乾いた法隆寺の古い土塀に沿って、阿弥陀院というその仮りの宿舎を訪ねて行った。少し崩れおちた土塀には秋の陽が暖かくさしていた。
森田氏は留守であった。今日は電気が休みで蛍光灯が使えない為に、摸写はお休みになったのだそうである。少し失望した私たちは、それでも管長の佐伯定胤師に会って、色々話を聞いて、元気を出して金堂の方へ行って見た。ところが、運よくちょうど電気が来て、蛍光灯が煌々と輝いていたので、非常に嬉しかった。