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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第六巻(「もくせい」ごうのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 頁
哲学青年にとっては、力学やとくにドローイングは、まさに軽蔑すべき学問であった。それで私は力学と図学を止めて、顕微鏡と解剖との方を志望した。大学へ行ったら動物学をやって、生物学と哲学との境を研究しようと思っていた。顕微鏡ではいろいろなものを覗いたが、歯くその中の虫を見た時の気味悪さと、松葉の断面を覗いた時の美しさとは、その後いつまでも印象に残っている。自然の研究は、まず自然を見ることから始めなければならないというのが、一人立で研究をするようになってからの私の信条であるが、この気持は高等学校時代の顕微鏡実習に、その根を引いているのかもしれない。もちろん寺田先生の学風によって、この考えは一層強められたのではあるが。
解剖の方も大いに面白かった。馬鹿貝や蛙は一匹ずつ貰って、その解剖をしながら、丹念に写生図を作った。最後は犬の解剖までやったが、これはクラス全体で一匹を解剖した。学校がすむと弓の道場に暗くなるまでいて、家へ帰ると夜は、進化論方面の本を無暗と読む。こういう風にして、自分ではもう一廉の生物学者になった気でいた。ところがたしかその年の暮頃になって、田辺元博士の『最近の自然科学』