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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第六巻(「もくせい」ごうのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 頁

青空文庫

そうすると、次ぎには問題は二筋の道に分れる。第一は大気電場の変化によって、雷雲発生の予報が可能であるか否かという問題である。これは時間の問題で、雷雲がくるすぐ前には、大気電場が増大することは当然である。それで的中したといっても、何時間前に予言したかが、問題になる。その期間が、大気電場の変化が現われる時間と同程度であれば、大気電場説に、初めて一つの可能性が出てくる。そういう場合には、大気電場の変化が、特殊の人間の感覚にどう現われてくるかという、生理の問題に帰する。もっともこれは非常に困難な問題と考えられるので、急に結論が出てきそうには思われない。しかし大気電場の変化を感じ得る人間もあるということが確められただけでも、これは学問的に見て大きい収穫である。

次ぎには、大気電場の変化が現われる前に、予言が出来たら、それはどういうことを意味するかという問題が出てくる。例えば、夕方神鳴がくる日に、朝のうち、鋭敏な電位計にも電場変化が全然現われないうちに、頭の方が痛くなったというような人が出てきたら、ちょっと話が厄介である。もっとも夏の地域的熱雷のように、一定の気象条件になれば、だいたい毎日のように神鳴が鳴るような場合には、何とか理窟のつけられないこともない。