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よがしゅっぱんじぎょう
予が出版事業
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《予が出版事業(よがしゅっぱんじぎょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,913 字 · 10 頁
遠野物語
中に書いてある事実が当時としては皆耳新らしく、其上に序文と頭註で、是は将来研究しなければならぬ問題だといい、実際又少しずつ、我々の学問も之を明かにする方へ向いて行ったので、次第に客観的にも重要になって来たのである。岩波といったような大出版者には経験の無いことだろうが、自分にはこの発行総数の半分までは所在が判って居る。中には二度三度主を替えて、まだ系統の辿られるものさえあるのである。しかも滑稽なことにはこの書の題名を、正しく読んでくれる人も半分しか居ない。私は実は多賀豊後守の狩詞記を読んで居て、斯ういう名の本が出して見たくなったのである。この興味が無かったなら、或は出版はまだ延期せられたかも知れない。
遠野物語
是も精確には私の著書ということが出来ない。再版になってから便宜のために、そういう語を掲げた者があるというのみである。少なくとも始めてこれを世に出した時に、私以上に満悦して居た人があるのである。しかもこの人のうれしがるという外に、私の心の中には出版者心理が働いて居た。西南の生活を写した後狩詞記が出たからには、東北でも亦一つは出してよい。三百数十里を隔てた両地の人々に、互いに希風殊俗というものは無いということを、心付かせたいというような望みもあった。