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ふたつのじょぶん

二つの

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《二つの(ふたつのじょぶん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 頁

青空文庫

その種の補足的な問題は沢山あることと思われるが、それ等の問題は、現在の発達した農学の知識をもってすれば、いくらも解決の道があるはずである。

こういう風に考えて品種を選び、この順序で栽培をするとしたら、けっきょく苗の時代には気温と水温とを人工的に支配し、田植の直後には水温だけを支配し、あとは天候にまかせておいて、それで北海道の冷害がかなりの程度まで克服されることになる。何だか話が少し巧すぎるようであるが、稲の性質というものが、以上に述べたような簡単な性質とすれば、話の筋には間違いないであろう。

問題は稲の性質にあるのであって、それが今まで述べて来たような要素以外のものに強く支配されるものならば、その方を改めて同様に考えればよい。積算気温などよりも、生殖成長期間中にある限界気温、例えば十五度とか十三度とかを下廻る方がもっと恐ろしいのであれば、その限界以下の気温が何回襲来し、それがどれだけ継続するかという公算が、もっと重大な問題になる。それならば改めて統計的にその公算を過去の記録から調べる必要が出て来る。

日射などもこの問題では次に挙げられるであろう。