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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《二つの(ふたつのじょぶん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 頁
この詩人は更に、王宰の山水画には
十日画一水 十日 一水を画き
五日画一石 五日 一石を画く
と題し、『麗人行』の首には
三月三日天気新 三月三日 天気新たなり
長安水辺多麗人 長安水辺 麗人多し
と詠じている。実に自由自在なものである。もちろん杜詩には難しい字も沢山あり、故事も甚だ多く、文献が無くてはとても読めない詩の方がずっと多い。乱に追われ流浪の旅をつづけたあの身の上では、大きい辞書や文庫をもって歩いたわけではなかろうから、大した学識のものである。
しかし杜詩は学識から生れたものでないことは確かである。ああいう不思議な勘所を押える力は天賦のものであろう。もっとも今さら杜詩をひき出すまでもなく、芥川の芭蕉論などにも、この勘所を押える力については、見事な説明がある。
科学に縁の近い立場から、こういう勘所について、我流の解釈をしてみよう。今日われわれがものを書く場合はもちろん、話す場合でも、更に考えること自身においてすら、いつでも論理の形式を借りているのである。論理の形式などというと、いやにむずかしいことになるが、何も論理学でとり扱うような厳密な意味ではない。