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ぶっきょうじんせいとくほん

仏教人生読本

岡本 かの子

線上閱讀岡本 かの子《仏教人生読本(ぶっきょうじんせいとくほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,886 字 · 246 頁

青空文庫

とか、「因縁ばなし」とか言って、ことごとく運命的なものを指し、しかもそのものは絶対の不可抗力で、何とも手の下しようもないことを評する言葉になっております。

因果とか因縁とかいう文字は仏教から出て世の中に流布され、人心に感化を与えたのですが、それが流布された当時の封建時代の影響を受け、この文字の持つ内容の圧制的な消極的方面ばかりが採り容れられ、自由向上の積極的方面が捨てられたのは誠に遺憾であります。そして、その印象は今日もなお、深く人心に残っております。

因果、又は因縁という言葉は、正確に言いますと、因・縁・果、ということで、この世の中のあらゆるものの存在の相の説明であります。この理は「事実」そのものなのですから、人間に対して別に親切でも冷酷でもありません。いわゆる自然律です。この事実に圧服されて押し流される人たちは、この「因縁果」を恐ろしい、また苛酷なものと思うでしょうが、これを上手に活用して、立派な成績を挙げるものには、実に希望の「因縁果」であり、文明の利器となります。「因縁果」の理法を明るく見るのも、暗く見るのも、これに関係する人々の心々によります。