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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

博士は、まだ頸をしめつけられてもいないのに、くるしそうにあえぎあえぎ言う。

「僕に見せるって、いったいそれは何を見せるというのですか」

僕はさすがに気になった。絵里子に関係のあることではないかと、すぐそのように思ったのであった。

博士は僕を制して、自分のあとについてくるようにと合図をおくった。

博士の後に従って、僕は小暗い長廊下をずんずん奥へあるいていった。

そのうちに博士は、廊下の途中から横についている急な階段をのぼりはじめた。

(おお、これは、マカオ博士の秘密研究塔に通じる階段だ)

と、僕はひそかに胸をおどらせた。

博士は僕を秘密研究塔につれこんで、いったいなにを見せるつもりなんだろう。

この研究塔は、往来からもよく見えた。研究所のまわりは分厚い背の高い壁にとりかこまれ、その境内は欝蒼たる森林でおおわれていた。そしてところどころに、研究所の古風な赤煉瓦の建物が頭を出していたが、それとはまた別に一棟、すばらしく背の高い白壁づくりの塔が天空を摩してそびえていた。それは遠くから見ると、まるで白い編上靴を草の上においてあるように見えた。螺旋階段の明りとりらしい円窓がいくつも同じ形をして、上から下へとつづいていた。