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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

研究所の屋上に仮建物を作り、組立ても完成し、試験もだいたいすんだので、あとはクリスマスをすませて、次の年を迎えてからのこととしようというわけで、外国人の技師たちがすこし気をゆるめたとき、たいへんな事件が起ったのだった。それはちょうどこんな寒い十二月の夜ふけ、突如として研究所の屋上に一大閃光がサッと輝くとみるまに、轟々たる怪音をたてて、ロケットが空中に飛び上ったのであった。附近の人々が顔色をかえて、研究所の前に集まってきたときにはすでに遅く、はるばるドイツから持ってきたロケットはすでに成層圏のあたりに、かすかな白光の尾を残して、暗澹たる宇宙に飛び去るところであった。

この椿事は、まもなく私の下宿にもきこえたので、私はとるものもとりあえず、研究所に駆けつけたが、もちろんなんの手のくだしようもなかった。ロケットが飛びだした原因はまったく不明であったが、あるいは、ガスの自然爆発によるものではないかともいわれた。渋谷先生でもこられたならば、なにか適切な善後手段を訊くことができるであろうと思ったが、先生はその夜ついに姿を現わさなかった。

私が先生の姿を発見したのは、じつにその翌朝のことだった。