輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
施浴が行なわれるためには、もっと規模の大きい、室の広い、堂々たる温室が天平時代にあったのでなくてはならない。当時の技術からいえばそういう物を造るのはわけのないことである。この大温室の想像の根拠となるものはさしずめ東大寺の湯屋であろう。わたくしは後に筒井英俊君の好意によって大仏殿の北東にある湯屋を見ることができた。これはさほど古いものではないが、しかしかなり大きい、堂々たる建物である。前室と後方の浴槽とに別れていて、その前室は数十人の人を容れることができる。そこは脱衣場にでも、あるいは蒸浴者の処理場にでも、使われ得るであろう。浴槽はやはり蒸し風呂で、これも建物に相応して大きかった。これは恐らく古い湯屋の伝統を伝えたものであろう。これから推測すると、天平時代にはかなりの大温室があり得たのである。
法華寺の蒸し風呂が現代までも蒸し風呂として存続したということは、この寺の本尊が現代までそこなわれずに残存したということほど重大ではないが、しかし些細なことながらも何となく興味が深い。風呂の方が肉体に近く、肉体の方が昔と今とを結びつけるに生々しい効果をもっているというせいでもあろうか。