輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こじじゅんれい

古寺巡礼

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁

青空文庫

それほど人々の心は広い活き活きとした世界に対する憧憬に充たされていたのである。そういう敏感な心が、彼らの帰朝の一二年前に、あの巧妙な彫刻を造ったガンダーラ人(もしくは伝説的にガンダーラ人とされてしまった無名の日本人)に対して少しも動かなかったとは考えられない。恐らく宮廷の人々はこの彫刻家をいく度か引見したであろう。それは「あり得る」ことである。とすると、この彫刻家は幾度か女の中の女なる人を見た。彼の製作欲がそこに動いた。そうして手ごろの大きさの十一面観音が、製作それ自身を目的とする歓喜の内に造られた。これも「あり得る」ことである。それを誰に献じたかは知らない。しかしこうして造った三躯の観音像のうちの一つを、彼が故国へ持ち帰ったという伝説は、彼の製作動機について一つの暗示を投げている。その製作動機もまた「あり得る」ことである。

が、以上にのべたのは光明后をモデルにしたということに対する興味であって、法華寺の観音に光明后の面影を認めるというのではない。われわれは光明后の顔に精練せられた感情のひらめきを期待する。その目には怜悧な光を、その口には敏感な心の微かな慄動を、その頬には消ゆることなき情熱のこまやかな陰影を。