輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こじじゅんれい

古寺巡礼

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁

青空文庫

万葉の女の歌が男の歌に劣らず優れているのは、そのためでないとは言えない。

天平時代は(他の時代もそうであるが)多妻を怪しまなかった。光明后を配とする聖武帝にすら他に夫人があった。女はそれに慣らされていたかも知れぬ。東国の女が都にある夫を恋うる歌に、大和女の膝を枕にする時にも私を忘れてくれるななどというのもある。しかし恋愛が独占を要求するのは昔も今も変わるまい。男がそれを要求したごとく女もまたそれを望んだであろう。ことに夫妻が別居して時々逢うに過ぎなかった当時の事情では、この感情は特に強まりやすかったに相違ない。夫恋しさに死を思うほど熱して行く妻の情緒は、それでなくては解し難い。わたしばかりがあなたを恋している、あなたがわたしを恋するというのは口先の気休めに過ぎぬという大伴坂上郎女の恨みも、そこから解せられなくてはなるまい。男の恋が女よりも自由であったとすれば、この苦しみが女の方にはるかに強かったということも想像せられる。

また親和力の向かうがままに行動することのできた時代であったとは言っても、そこに何らの拘束もないわけでなかった。「ひとごと」に対する恐れのごときがそれである。