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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
ために道俗擾乱し四民は業を棄てる。進んでは釈教に違い退いては法令を犯す。」これが後に菩薩とまで言われた行基の五十近いころ(養老元年)に受けた非難である。この運動は官権の禁戒にもかかわらず存続した。「近ごろ右京の僧尼が戒律を練らずただ浅薄な知識をもって因果を説き民衆を誘惑する。人の妻子にして、仏教と称して親や夫を捨て家を出るものがある。経を負い鉢を捧げて道途に食を乞うものがある。邪説を偽称して法を村邑の間に広めるものもある。この種の群衆は初めは修道に似るもついには奸乱をなすに至るだろう。」これが五年後(養老六年)の官奏である。さらにその後九年を経て、行基の事業はようやく官権に認められ、彼の追随者は、男は六十一、女は五十五以上ならば、正式に僧尼となることを許された。しかしなお自余の持鉢行路者は捕縛せられなくてはならなかった(天平三年詔)。寺に寂居して教えを受け道を伝うるのが僧尼の常道であるとする当時の官権には、これらの宗教運動は過激に見えたのであろう。しかし官権が認容しなかったからといって、この運動を直ちに低級な迷信と見てしまうのは考えものである。行基の徒が因果を説いた。