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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
たとえば柱の間隔が左右に至るに従って狭まる率や、その結果柱の支力が左右に至るに従って高まる率などは、数学的に計算し得られるであろう。それに対応して軒端の線も屋根の面も左右に至るに従って上へ彎曲している。その彎曲線や彎曲面の曲率と支力の高まる率との間にも何らかの関係があるであろう。もちろんこれは現実的な力の関係ではない。屋根が上へそり反ろうと、あるいは下へ垂れ下がろうと、それによって屋根の重さに変わりがあるわけではない。しかし上へそり反った屋根の下に強力な柱があれば、その屋根の彎曲が柱の支力の表現になるのである。ここで問題にするのはそういう表現の背後に案外に精確な力の関係が隠されているのではないか、という点である。
堂の正面をぶらぶらと歩きながら、わたくしは幸福な少時を過ごした。大きい松の林がこの堂を取り巻いていて、何とも言えず親しい情緒を起こさせる。松林とこの建築との間には確かにピッタリと合うものがあるようである。西洋建築には、たとえどの様式を持って来ても、かほどまで松の情趣に似つかわしいものがあるとは思えない。パルテノンを松林の間に置くことは不可能である。