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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
奈良時代と平安時代とを截然区別する心持ちがわれわれにある。それは便宜上造った時代の区分にまどわされたのである。もとより天平と弘仁の気分には著しい相違があるが、しかし天平時代末期から弘仁初期へかけての変遷は、漸を追うたものであって、どこにも境界線はない。弘仁期には天平時代末期のデカダンスへの反動がある。同時にその継続もある。この間の変遷よりはむしろ弘法滅後百年間の変遷の方がはるかに著しい。風俗の上ではいつの間にか平安時代風衣冠束帯ができている。女は長い髪をひきずって歩く。今の洋装のように体の輪郭を自由に現わしていた女の衣裳も、立ち居に不自由そうな十二ひとえに変わっている。住宅としては寝殿造りが確定した。文芸では『万葉集』の歌が『古今集』の歌に変わる。仮名がきが行なわれて、散文が造り始められる。日本人が初めて日本語の文章を作るに至ったのである。美術では繊美な様式が生まれ、それが後代の人から純日本式として受け容れられている。宗教には空也念仏のごときが現われる。すべて光景の一変したことを思わせるものである。
普通にはこの時代が外来文化の日本化せられた時代と見られている。