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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
弉の力であったと見なければなるまい。玄弉の仕事の特徴は、インド、ペルシア、西域等の文化を力強く唐の文化のうちに流し込んだところにある。そうしてこのことは唐太宗が西域諸国を征服して、シナと西域やインドとの交通を容易ならしめたことの、最初の大いなる果実であった。しかしこの機運を待って初めて新様式の美術が栄えたのは、どういうわけであろうか。それ以前にシナにはいったのは、中インドの美術も混じてはいるが、主としてはガンダーラ美術であった。シナ人を新しい造形美術に導いたものは確かにギリシアの芸術的精神の伝統であった。しかし北魏式美術にはギリシア風の感じはない。著しく漢式化したもののほかは、西域式かインド式かで、ガンダーラ美術の痕跡をとどめない。しかるに玄弉がグプタ朝美術の様式を輸入した後には、美術は突如としてガンダーラの気分を生かし始めた。しかもグプタ朝の美術よりは明らかに宗教的な、端正な、またガンダーラ美術よりははるかに古典的で精練された初唐の美術を形造るに至った。それはなぜであろうか。五胡十六国の混血時代を経て、ちょうどこのころに渾融的な気運が熟して来たためであろうか。