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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
周囲の諸像も皆それぞれに美しい。脇立ちの梵天・帝釈の小さい塑像(日光、月光ともいわれる)が傑作であることには、恐らく誰も反対しまい。その他の諸像には相当に異見があり、特に四天王に至ってはZ君はほとんど一顧の価値をも認めまいとしたが、しかしわたくしはこの比較的に簡素な四天王にも推服する。特に向かって左後ろのがよい。もちろん戒壇院の四天王ほどにすぐれた作でなく、やや硬い感じを与えるが、しかしいかにも明快率直で、この堂内に置かれてもはずかしくないと思う。
これらのことについてはホテルへ帰ってからだいぶ論じ合った。今日はいろいろ予想外のことがあったためか皆元気が好かった。食堂で隣りの卓子に商人らしい四人づれの西洋人がいて、三分間に一度ぐらいのわりで無慮数十回の乾杯をやっていたが、われわれもそのこころもちに同感のできるほど興奮していた。Z君は、三月堂の他の諸像をほとんど眼中に置かず*、ただ不空羂索観音と梵天(月光)とを、特に不空羂索観音を、天平随一の名作だと主張した。それにはわたくしもなかなか同意はできなかった。天平随一の名作を選ぶということであれば、わたくしはむしろ聖林寺の十一面観音を取るのである。