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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁
私たちは、君に質問をしたいのだ!”
「えッ!」
大隅は、息が停るほど愕いた。白幽霊どもは、たしかに彼に対して、「室内へ来て、質問に答えよ」と云ったように感じたのだ。しかも彼の耳は、遂に一言も白幽霊の声を聞いたのではなかった。白幽霊は、声を出して喋らなかった。それにも拘らず、白幽霊が質問をしたいと彼に申込んだと、ちゃんと分るのであった。声なき会話! なんという不思議な現象だろう。
「ぼ、僕のことですか。……この部屋に入れって云うのですか」
と、大隅は慄える声でもって、彼の身近かに迫っている二匹の白幽霊に尋ねた。
“そうです”
「ああ……」
白幽霊は、またもや声を出さないのに、大隅に白幽霊の意志を伝えた。なんと驚くべき怪現象ではないか。
大隅はもう観念した。こう覘われては、もう逃げる余裕はない。この上は胆力を据えて、白幽霊の前に出、そして彼等の質問に答えると共に、逆に彼等の正体を偵察してやろうと決心した。そこで彼はドンと廊下に飛び下りた。そして扉に手をかけて、それを開いた。その開いた戸口から、彼は室内へ入っていった。連れの白幽霊はと見ると二匹とも人間では到底通れそうもない壁のところを、まるで壁が無いかのようにスーッと通った。