輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁

青空文庫

「うわッ――」

彼の護身杖はポロリと草叢の中に落ちた。これを落としてはと、疼痛を怺えながら拾おうとすると、不思議なことに、その光杖が生き物のように宙をひとりでスーッと走りだした。

「あッ――」と声を立てた途端に、杖の灯はパッと消えてしまって、再び真の闇となった。大隅理学士は恐怖の絶頂に取残された。何者だッ。

危険は迫る!

そのとき、低い人声がどこからともなく聞えたような気がした。

「先生、先生。大隅先生!」

と、そんな風にも聞えた。わが名を呼ぶは何者ぞ、気の迷いであろうかと、学士は耳を欹てた。

「先生、先生。大隅先生!」

同じ声がわが名を呼んだ。やはり自分を呼んでいるのだった。その声は、どこかで聞いたような声であった。

「何者だッ、卑怯な真似をしないで、早くここへ出て来いッ」

「ああ、先生。あまり大きな声を出さないで下さい」

こんどはハッキリした調子で闇の中の声はいった。

「おお、そういう君は……」

「分って下さいましたか。僕は武夫なんです。分るでしょうね。大隅先生」

武夫が喋っているのだった。武夫少年はまだ無事で生きていたのだ。それをつきとめることは今夜の最大の目的だったのだ。