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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁
同時に佐々は彼の得意中の得意とする私設電話術、別名盗聴法を活躍させ、宿にいながらにして大隅学士に甚平の喋っているところを聴かせようというのであった。尤もそれは電話技術を心得ている者ならば何でもないことだった。つまり甚平を呼びよせた室には額の裏かなんかにマイクロフォンを置き、それから出た二本の電線をラジオの発振機に接ぎそれから更に電話線に持っていって接ぐ。すると高周波の電流は電話線を伝わって走るから、そこで大隅学士の宿の前を走る電話線から別に二本の支線を接ぎ、それを学士の室まで引張り込んでラジオ受信機に入れてやれば、それで甚平の話はすっかり聞えるわけだった。それは明かに通信法の違反であったけれど、佐々記者はそんなこととは知らなかったのである。
盗聴の用意は万端できあがった。
午前十一時という時刻になると、学士は受信機のスイッチをひねって、高声器から出てくる話し声を待った。やがて待っていた佐々記者の元気な声と、古花甚平の眠むそうな声とが入り交って聞えてきた。もう甚平は、すっかり佐々記者の魔術に懸っているらしい。学士は彼の何者にも頓着しない悪達者な腕前に三歎するより外なかった。