輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

線上閱讀亀井 勝一郎《大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 108,647 字 · 215 頁

青空文庫

それで屡々近隣の教会へ遊びに行った。カソリック教会堂の裏庭は崖になっていて、そこに洞窟があり、等身より稍々小さいマリアの像が安置されていた。所謂受苦聖母という像で、双手をあわせながら眼を天へ向けて祈っている姿である。そのすらりとした姿態や、裾の長くのびた衣のひだの美しさなどは、子供心にも神々しく感じたものである。

百済観音を眺めながら、私はふとこの受苦聖母を想い出した。肩から腕、胸から胴へかけての清らかさや、下肢に添うて柔かに垂れている絹布のひだなどは、頗るよく似ていた。しかし百済観音は何ものにも祈っていなかった。これは受苦観音ではない。おおらかな微笑を湛えて地上を闊歩しそうな姿態である。神韻渺茫たる一の精神が、人間像に近接しながら、しかも離れて何処へとなくふらふらと歩いて行くような姿だ。天蓋の天人にもみられる童話的挙措である。顔の面長な天人が、琵琶をかかえている姿をみると、「行く春やおもたき琵琶の抱きごころ」という蕪村の句を思い出す。有難く近よりがたいが、同時に春風駘蕩として楽しいのである。

マリアの像にはかような雰囲気は絶無だ。基督教徒は、受苦聖母の前でどんな祈りを捧げるのであろうか。