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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
線上閱讀海野 十三《大宇宙遠征隊(だいうちゅうえんせいたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 頁
缶は、横とびにとんで、艇夫長の向こう脛に、ごつんといやな音をたてて、ぶつかった。
「こらっ、なにをする」
艇夫長は、顔をたちまち仁王さまのように、真ッ赤にして、缶をけりかえそうとした。が、とたんに足をとどめて、床から缶をひろいあげた。
「ああ、もったいないことをやるところだった。この一缶が、おれたちの生命をすくうこともあるかもしれないのだからなあ。やい、三郎、気をつけろい。ここは、地球の上じゃない。まるで何もない大宇宙の砂漠なんだから……」
艇夫長は、缶をそっと床の上において、しずかに、元の隅へおしやった。大宇宙の長旅にある噴行艇の中では、一滴の塗料、一条の糸も、人命にかかわりのある貴重な物質であった。
「おい、三郎。早く飯を食って、交替時間におくれるな。いいかい、小僧」
「へーい」
艇夫長は、ようやく腹の虫を自分でおさえて、艇夫寝室を出ていった。
三郎は、ほっとため息をつきながら、すばやく身じたくをし、それから釣床の中を片づけて交替の艇夫がすぐ様ねられるように用意をした。そして急ぎ足で、小食堂の方へ階段をのぼっていったのだった。
小食堂には、先におきた艇夫たちと、それから非番の艇夫たちが、卓をかこんで、さかんにぱくついたり、茶をがぶがぶのんだり、それから煙草をぷかぷかふかしたり、まるで場末の小食堂とかわらない