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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
お銀様に言われて、そうかと思ったけれども、敢て立とうとはしません。
竜之助の腰を卸していたところは墓に違いありません。ほかの墓とは別に、孤島のように少しばかり土を盛り上げたところに、無縫塔のような形をした高さ一尺ばかりの石が一つ置いてあるだけでありました。その前には、竹の花立があったけれど、誰も香花を手向けた様子は見えず、腐りかけた雨水がいっぱいに溜っているだけです。
竜之助が動かないから、お銀様もまた、その近いところへ蹲まりました。ここは誰も人の来る憂えのないところです。天の日は二人ばかりのために照らし、地の上は二人ばかりを載せているもののようです。
あたりの林も静かでありました。丸腰で来た竜之助は、ついにそこへゴロリと横になって肱枕をしてしまいました。竜之助の横になって肱枕をしたその頭のあたりがちょうど、無縫塔の形をした石塔のあるところであります。
それだから竜之助は、墓を枕にして寝ているもののようです。寝ている竜之助はそれをなんとも思ってはいないらしいが、傍で見たお銀様は、快い形と見ることができません。この人に墓を枕にして眠らせるということが、好ましいことではありません。