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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
また神尾の言うことを小気味よしとして、能登守が窮したのを内心快くながめている者もあるようです。
一時沈黙して眼を閉じていた駒井能登守は、やがて眼を開きました。
「神尾殿、近ごろ苦々しき噂をお聞き申す、しかしともかくそれは一大事。して左様な噂を立てられた人物というのは何者にや、してまたその人物が寵愛するという身分違いの女子の素性というのはいかなる者にや、その辺を委しくお聞き申したい、それらの者の姓名もお包みなく、これにてお明かし下されたい」
能登守の声は、少しばかり顫えを帯びていたようであります。けれども終いはキッパリとして、神尾主膳の面を篤と見つめながら言葉も色も動きませんでした。
「それは申し上げぬが花と存じ申す。しかしながら、言い出した拙者の面目、軽々しく世上の根無し言を、この公けの席へ持ち出したとあっては迷惑、それ故、噂は噂として、その噂の中より拙者の見届けた真実だけを申し上げる。拙者がまだ当地へ参らぬ以前のこと、伊勢の国の大神宮へ参拝致した、その途中、かの間の山と申すところに、名物のお杉お玉と申すものがおって、三味を弾いて歌をうたい、客の投げ与うる銭を乞うていた、そのお杉お玉両女のうち、お玉と申すのがことのほか姿容がよい、それによく間の山節という歌をうたい申す、拙者も旅の徒然に、右のお玉を旅宿に招んで