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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

勇は、あまりのことに呆れ果てたけれども、彼もまた豪傑であった、恭しく礼を正して和尚に尋ねた。

「まことに万人に優れたお腕前、感服の至りでござる。そもそも貴僧はいずれのお方に候や、名乗らせ給え」

「お尋ねを蒙るほどの者には候わず、愚僧は備後尾道の物外と申す雲水の身にて候」

と聞いて、近藤はじめ、さては聞き及ぶ拳骨和尚とはこの人かと、懇ろにもてなしたということであります。

嘘か、まことか、この話は今に至るまでかなりに有名な話でありました。

宇津木兵馬は、その和尚のことを思い出したから、もしや右の拳骨和尚が、慢心和尚と変名して、この地に逗留しているのではないかとさえ思いました。そうでなければ、こんな勇力ある坊主が、二人とあるべきはずのものではなかろうと思いました。

それで兵馬は慢心和尚に向って、

「老和尚はもしや、備後尾道の物外和尚ではござりませぬか」

と尋ねました。

「そんな者ではない、そんな者は知らん」

と言いながら慢心和尚は、駕籠を担いでサッサと行くのであります。それですから、一度はそれと尋ねてみたけれど、二の句は継げません。こうして金剛杖を突いて、やっぱりあとを追っかけて行くうちに勝沼の町へ入りました。