輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

と言って、川の瀬をよく均して水の滞らぬようにしました。

この二仏二神のおかげで、甲府の土地が出来たのだというのが古来の伝説であります。最初に言い出した地蔵様は甲府の東光寺にある稲積地蔵で、次に山を蹴破ったのが蹴裂明神で、河の瀬を作った不動様が瀬立不動で、山を切り穴を開いた神様が、すなわちこの穴切明神であるというこの縁起も、お銀様はよく知っているのでありました。ここへ来て夜の更けたことを知ったお銀様は、はじめて自分の無謀であったことと、大胆に過ぎたことを省みる心持になりました。前に来た時には、日中であったに拘らず、しかもお城の真下であったに拘らず、悪い折助のために酷い目に遭ったことを思い出して、ついにこの夜更けにこの淋しい道を、どうして自分がここまで来て、無事にここに立っていられるのかをさえ思い出されて、ぞっと怖ろしさに身をふるわすと、例の物悲しい、いじらしい子供の泣き声であります。

なんだか知らないけれども、その泣き声が自分のあとを慕うて来るもののようでありました。自分を慕うて幼な子があとを追っかけて来るもののように、お銀様には思われてなりません。