輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
お銀様はその横にうたた寝をしていた人の首に、しっかとしがみつきました。
机竜之助はこの時眼が醒めました。眼が醒めたけれども、この人は眼をあくことの出来ない人であります。ただわが首筋へしがみついたその者の声は女であることを知り、竜之助の首を抱えた腕は火のようであることを知り、その頬に触れる血の熱さも火のようであることを知ったのみです。
「助けて下さい、神尾主膳は鬼でございます、わたしは殺されてもかまいませんけれど、神尾主膳の手にかかって殺されるのはいやでございます、あなた様は善いお方だか悪いお方だか知れないけれども、わたしを助けて下さい、助けられなければ、あなたのお手で殺して下さい、わたしは神尾主膳に殺されるよりは、知らない人に殺された方がよろしうございます」
この言葉も息も、共に炎を吐くような熱さでありました。
「神尾殿、悪戯をなさるな」
竜之助はここで起き直ろうとしました。しかしお銀様の腕は竜之助の身体から離れることはありません。竜之助はそれを振り放そうとした時に、お銀様の乱れた髪の軟らかい束が、竜之助の面を埋めるように群っているのを知りました。