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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

「はははは」

米友は苦笑いして、

「人に知れて悪いお客様なら、俺らにも知れようはずがなし、お嬢さん、お前にだって知れるはずがなかろうじゃねえか」

「それでも、わたしにはよく知れているのよ」

「知れてるなら、俺らに聞かなくってもいいじゃねえか」

「米友さん、お前さんは相変らず理窟を言うからいけません」

「だって」

「そのお客様はお前……牢から出た人なのよ」

お松が四辺に気を置いて小声で言うと、

「エ、エ?」

米友が、やや狼狽えました。

「そのお客様が……」

「知らねえ、俺らは知らねえ」

米友は首を左右に振りました。

「知らないたってお前、わたしにはよくわかっているのだから、隠しても仕方がないのよ、牢から出たお客様が三人ほど、たしかにこのお屋敷に隠れているはず」

「エ、エ?」

米友はお松の面をじっと見ました。

「米友さん、これはわたしのほかには誰も知っている人はないのだから、心配しないように。そうしてその三人の中で、いちばん若い方に、これを差上げていただきたいの」

「何だ、それは」

「お薬」

「薬がどうしたんだ」

「どうか、これをお前さんの手から、その若いお方に差上げて下さい、頼みます」