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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
「ずいぶん、これはお珍らしい」
「まあ、なんというお久しぶりな」
と言って二人ともに面を見合せたなりで、暫らく呆気に取られていました。
お松とお君との別れは、遠江の海でお君が船に酔って船に酔って、たまらなくなって以来のことであります。あの時、お君だけは意地にも我慢にも船におられないで、上陸してしまいました。
神尾主膳の家と、駒井能登守の屋敷とは、その間がそんなに遠くはないのに、両女ともに今まで面を会せる機会がありませんでした。甲府にいるということをすらおたがいに知ってはおりません。
米友の口から聞けば聞かれるのであったろうけれど、米友はこのことをお松に語りませんでした。お松は外へ出る機会が多少あっても、その後のお君は屋敷より外へ、ほとんど一歩も踏み出したことはありませんでした。それ故、二人はここで偶然に会うまで、その健在をすらも忘れておりました。
今見れば、お松は品のよい御殿女中の作りです。これはお松としてそうありそうな身の上であるけれども、お君がこうして奥向きの立派な身なりをしていようとは、お松には思い設けぬことでありました。お君は、久しぶりで会った人に、涙を見せまいとして元気を作りました。