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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
老女は詮方なしにこう挨拶して、筑前守の奥方からの贈り物を受けました。
とにかく、こうして贈り物を受けてみると、その返しに苦心しないわけにはゆきません。こんな苦心はお君にとっても、女中たちにとってもいやな苦心であります。
仕方がなしに、使をワザワザ邸まで飛ばせて、筑前守の奥方から贈られたのと同じようなものを調えて、それを老女に持たせてやりました。
老女が帰って来ると、隣席ではヒソヒソと囁き合って、やがてドッと笑う声がしました。それがかなり意地悪いことにお君の方の胸に響きます。
それが済むと、やがて隣席から二度目の交渉がありました。前の女中がやって来ての口上には、おたがいにこうして窮屈に見物をするよりは、いっそ、この隔ての屏風を取払って、仲よくお附合いをしながら見物しようではないかとの交渉でありました。
こちらの老女は、これを聞いてまた当惑して、主人のお君の方の面を仰ぐと、お君の方もまた同じ思いでありました。
「せっかくではござりますれど、手前共はみんな無調法者ばかり故、もし失礼がござりましては」
という意味で、老女は程よくその交渉を断わりました。
筑前守の奥方の方でもそれを押してとは言わないで、左様ならばと言ってひきさがりました。