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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

「面目ないことじゃ、実は少々酔いが廻ったものだから、酔醒めの水を飲もうと、水を汲みかけてこの状じゃ――して貴殿方はどうしてここへ」

「我々はちと尋ねる人があって、その人を尋ねてこのあたりまで来たところ、ついその人を見失うて……」

「それはそれは、ともかく、あれまで」

神尾主膳は立ち上りました。先に立って小林を屋敷のうちへ案内しようとすると、

「こりゃどうしたんだ、エ、ここに男が一人縛られて倒れてるが、こりゃどうしたんだ」

と言って、けたたましく叫んで提灯を振りかざしたのは米友であります。

「ああ、そりゃあきちがいじゃ、養生のためにそうして水を浴びせてやるのじゃ」

神尾は憎そうに言い捨てました。

「いくらきちがいだってお前、この寒いのに井戸側へ、水をかけて置きっ放しにしたんじゃ凍え死んでしまうじゃねえか」

米友は同情しました。神尾は米友の方を、じっと見ただけで取合わずに、小林に向い、

「貴殿方が尋ぬる人というのは、そりゃ、いかなる人でござるな」

「ほかではござらぬ、このごろ市中に評判のある辻斬の曲者を尋ねんがために」

「なるほど」

「夜更から暁方へかけて、こうして扮装を変えて毎夜のように尋ねてみるが、ついぞ出会し申さぬ。