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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

例によって盲法師の弁信は、誰に問われもしないのに、ベラベラとこんなことを喋りました。二人の盲人は、こうして徐々と屋敷を出て行きました。

福村をはじめ御家人崩れの連中は、それを見ながらどうすることもできません。

二人の行こうとする目あては、多分ただいま弁信が名乗った通りであろうけれど、その歩み行く道筋の光景は更にわかりません。武蔵野の尽くるところには、林もあり、森もあり、畑もあり、江戸の郊外が始まろうとするところには、屋敷もあり、人家もあり、火の見の半鐘もあろうというものだが、二人はただ黒暗々の闇を歩いて行くだけです。お喋りの弁信も、どうしたものか、あれっきり沈黙してしまいました。

染井から本所へ行こうとするのは、この二人にとってはかなりの夜道です。もし、きながに歩いて行ったら、夜が明けるかも知れません。急いで行ったところでこの二人は、とても近道を取るというわけにはゆきますまい。あぶなければ途中で、駕籠でも雇うまでのことです。

巣鴨の庚申塚あたりへ来たと覚しい頃、急に人声が噪がしくなりました。庚申塚へ廻るのは、少し廻り道すぎると思われるけれども、化物屋敷の連中は、江戸の市中へ出るのに好んであちらの方を廻りたがります。