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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁
その中でも、最も重要な大衆文芸の要素となっているところの、「剣術」及び、「忍術」のことさえ、本当に調べて書いている大衆文芸作家は、殆んど少いといっていい。
「剣術」の参考書は前節に挙げておいた故に再び述べないが、「忍術」の参考書として、世間に可成り充分に流布されている「正忍記」一冊さえ読んでいないらしい大衆文芸作家が転がっているのには驚くにたえる。そうでなかったら、あんな馬鹿げた忍術は書けない筈なのである。大衆物が剣戟中心でありながら、剣術の知識もなく、人を斬る、又は斬られる者の瞬間の心理さえ書かないでいて、然も将来の大衆文芸を書こうと考えるなどは酔興に等しく、一寸無理な話といわねばなるまい。
斬り合いの描写の変遷を見るのに、江戸時代の文学の、斬り合いの描写といえば、所謂、
「丁々発止、虚々実々の云々」の流儀に定っていたものであった。
それが稍進んで、
「左の肩から袈裟懸けに斬り下げれば、血煙立てて打倒れた」
といった文章にまで変化して来た。以下、二つ三つ例をとって見よう。
諸君は、それらに於ける立廻りの描写を、諸君自らの眼で、私が述べる種々の点を参考にして批判研究していただきたく思う――。