輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《季節のない街(きせつのないまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 頁

青空文庫

いや、そのほかにこの街の子供たちがいる。彼には「ちょろ」という渾名があり、それは海岸にいるふな虫のことだそうであるが、あのいつもちょろちょろと右往左往しているふな虫を、土川春彦に当て篏めたところは、子供の観察の正確さとするどさにおどろくばかりである。

彼の家にはつねに同居人がおった。まだ妻がいたじぶんにも、必ず一人は同居人がおったのである。不定期の同居人でどれも長くはいない、三十日でいなくなる者もあるし百日以上いる者もあった。彼がここへ来てからいっしょになった二人めの妻は、そういう同居人のひとりと逃亡したのであるが、その男は同居人になって七日しか経っていなかったのだ。

これらの同居人は、すべて土川春彦自身がつれて来るもので、どこからつれて来るのか、どういう縁故があるのか誰にもわからなかったが、ふしぎなことに、それらは躯つきとか性分とか、または口のききかたなどにどこかしら似たところがあり、子供たちはかれらに「かぼちゃ」という共通の渾名を付けた。

かぼちゃという渾名は、代々の同居人たちの風貌と人柄をかなりよくあらわしていた。かれらの躰格には大小があり、顔だちや年齢もまちまちだったが、のっそりと鈍重なところや、口べたで怠け者だという条件では、多少の差こそあれみな同類に属していた。