輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あんごしんにほんふどき

安吾新日本風土記

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《安吾新日本風土記(あんごしんにほんふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,916 字 · 46 頁

青空文庫

五六人役場の一室で集りを催していた。この連中が異様に珍しそうに窓から首をだして私たちの撮影するのを眺めたから、たまらない。娘は本当にキャッという叫びをあげて、首の附け根から真ッ赤になってフラフラしたのである。私は娘の心根がいじらしいと思った。彼女にとってはこの村の男だけが本当の男なのだろう。私はそれをしみじみ感じたのである。今どき温泉へ行けば男に肌を見せるのをなんとも思わぬ娘たちの姿はいつでも見出すことができるのである。そういう時世にこの娘の逆上的な羞恥は、いじらしくもあれば、また異様になまめかしいものでもあったのである。

しかしさすがに千軍万馬の行商に胆をきたえてもいるから、撮影が終ると、再びポッとあからみながらも、男たちが首をつきだしている窓の下へツと駈け寄って、

「ポマードいらんかね」

と云った。男たちはポカンとしているだけで、このユーモアに応じることができなかったが、それもここが地上の終点的な平和郷であってみれば仕方がない。男が社交界に出入して洒落やユーモアをもてあそぶのは戦国時代の風習である。絶対の平和国家ともなれば、文化も貴族精神も女だけのものである。