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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,795 字 · 274 頁
とあるからは、これも一朶の白蓮華、晶々たる冬の空に、高く翳されて咲きにおうから、名づけられたのかも知れない。
あわれ、清く、高き、雪の日本アルプス、そのアルプスの一線で、最も天に近い槍ヶ岳、穂高山、常念岳の雪や氷が、森林の中で新醸る玉の水が、上高地を作って、ここが渓流中、色の純美たぐいありともおぼえない、梓川の上流になっている。
土人はカミウチ、あるいはカミグチとも呼んでいるが、今では上高地と書く、高地はおそらく明治になってからの当字であろう、上も高地も同じ意味を二つ累ねただけで、この地を支配している水や河という意義がない、穂高山麓の宮川の池の辺に穂高神社が祀ってある、その縁起に拠ると、伊邪那岐命の御児、大綿津見の生ませたまう穂高見の命が草創の土地で、命は水を治められた御方であるから今でも水の神として祀られて在ます、神孫数代宮居を定められたところから「神垣内」と唱えるとある、綿津見は蒼海のことで、今の安曇郡は蒼海から出たのであろう、自分は土地に伝わっている神話と地形から考えて、「神河内」なる文字を用いる、高地には純美なるアルプス渓谷の意味は少しもない、「河内」