輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,795 字 · 274 頁
高山の雪
一
日本は海国で、島国であるには違いないが、国内には山岳が重畳して、その内部へ入ると、今でも海を見たことのないという人によく出会うのは、私が山岳地の旅行で親しく知ったことである。これに反して山を(高低の差別はあるにもせよ)未だ生れてから見たことがないという人は、盲目でない限りは、殆んどないようである。これは山岳そのものの性質が立体で、遠見が利くからでもあるが、日本が全体において山岳国であることが解る。極端に言えば、日本人は国内においては、向うに山の見えないという地平線に立ったことは、未だないはずである。冬は言うまでもないとして、三月四月頃、試みに郊外に出て見給え、遠くに碧い山か、斑らな雪の縞を入れて、菜の花の末、または青葉若葉の上に、浮ぶように横たわっている。もっとも山の高低や、緯度の如何に随って雪の多少はあるが、高山の麓になると、一年中絶えず雪を仰ぎ視る事が出来る。就中夏の雪は、高山の資格を標示する徽章である。
雪と山とは、このように密接な関係があり、山上の雪は後に説明するいわゆる「万年雪」や、氷河となっている。即ち永久に地殻の一部を作っているので、地質学者は雪を岩石の部に編入しているほどである。