輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,795 字 · 274 頁
梓川の上流
一
明科停車場を下りると、犀川の西に一列の大山脈が峙っているのが見える、我々は飛騨山脈などと小さい名を言わずに、日本アルプスとここを呼んでいる、この山々には、名のない、あるいは名の知られていない高山が多い、地理書の上では有名になっていながら、山がどこに晦くれているのか、今まで解らなかったのもある――大天井岳などはそれで――人間は十人並以上に、一寸でも頭を出すと、とかく口の端にかかる、あるいは嫉みの槌で、出かけた杭が敲きのめされるが、この辺の山は海抜いずれも一万有尺、劫初の昔から間断なく、高圧力を加えられても、大不畏の天柱をそそり立ている。山下の村人に山の名を聞くと、あれが蝶ヶ岳で、三、四月のころ雪が山の峡に、白蝶の翅を延しているように消え残るので、そう言いますという。遥に北へ行くと、白馬岳が聳えている、雪の室は花の色の鮮やかな高山植物を秘めて、千島桔梗、千島甘菜、得撫草、色丹草など、帝国極北の地に生える美しいのが、錦の如く咲くのもこの山で、雪が白馬の奔る形をあらわすからその名を得たということである。白馬岳の又の名を越後方面では大蓮華山といっている、或人の句に「残雪や御法の不思議蓮華山」