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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,795 字 · 274 頁
氷河、それはアルプスの氷河としては、第二流に属するに過ぎないものであるそうだが、一哩の四分の三ぐらいの長さの線を、今までの生涯(第一巻の出版は彼が三十三歳の時である)中に見た、最も美しい、最も単純な線であると讃嘆しているが、私は「ラスキンは不仕合せな男だなあ」と、いまだに思っている、北斎や広重の版画を見ずにしまった彼は、富士山の線の美しさを、夢想にもしなかったらしい、東海道の吉原から、岩淵あたりで仰ぎ見る富士山の大斜線は、向って左の肩、海抜三七八八米突から、海岸の水平線近く、虚空を縫って引き落している、秋から冬にかけた乾空には、硬く強く鋼線のように、からからと鳴るかと思われ、春から夏にかけて、水蒸気の多い時分には、柔々と消え入るように、または凧の糸のように、のんびりしている。地平線と水平線とを別として、我が日本国において見らるべき、有らゆる斜線と曲線の中で、これこそ最大最高の線であろうと、いつも東海道を通行するたびに、汽車の窓から仰ぎ見て、そう思わないことはない。
私はいつか浅間山の追分ヶ原に遊んだことがあった、そこに若い