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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
線上閱讀小島 烏水《山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,795 字 · 274 頁
小生の目には、同じ雪に蔽われながらも、この鳥形のみは粗き山の膚(元より白色)の中に、滑らかに平に浮び出で居候が、認められ候。
白峰の壮観は、空気澄水の如き朝、明らかにて、正午よりは、淡き水蒸気に遮られ候、但し日光の工合にて、かえって鳥だけは、朝よりも明瞭に仰がれ候(側は陰に入るより)、駒ヶ岳の孤峭は、槍ヶ岳を忍ばせ、木食仙の裸形の如く、雪の斑は、宛然肋骨と頷かれ候、八ヶ岳も、少し郊外に出づれば、頭を現わすべく、茅岳、金岳より、近き山々、皆冬枯の薄紫にて、淡き三色版そのまま、御阪山脈の方向は富士山なくんば見るに足らず、富士の雪は夕陽に映るとき、最も美しく候、ここはなお雪がふらず、白峰颪は大抵一日おき位に、午後より夕まで、または夕より十二時頃まで、凄まじき音をたて、この夜坤軸を砕く大雪崩の、岩角より火花を迸発する深山の景色を忍び居候。(十二月十八日甲府より)
別紙白峰の拙画は、今年初秋―四十年において、最も白峰を明瞭に仰ぎ得し日の午前写生せしものを、忠実に写し直せしものに御座候、赭色なるは雲なき頃とて、皺谷の赤膚を露出するもの、甚だ妙ならず候えども、スカイラインと共に、山の皺は、いかにも興多きため、忠実に岐脈をも余さざりしつもりに候、中央に鳥形の赤裸なるを御覧あるべく、これが埴輪の鳥形に候なり、これには