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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《山彦乙女(やまびこおとめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,360 字 · 251 頁
「ちょっと質問するがね」半之助はまた団扇を取って、「いつか築地の海端で聞いたね、そう、丸茂の帰りだったろう、村田が長崎へいったというのは表面の口実で、本当は某方面の探査をして来たんだという」
「ああ話したよ」
「その探査というのも、青山が今やっているのと、同じようなことなのか、もうひとつ、彼が植物調査といって、しばしば旅をするのにも、そんな意味があったのか」
「こわいような質問だが、そのままでないにしても、そういう意味は無いわけではないらしいな、諸侯に対する隠密は、なにも甲賀者や伊賀者に限らないだろうから」
「それでわかるよ」半之助はにっと笑った、「谷町などで知っていることがさ、それだけ組織的にやっていれば、向うが嗅ぎつけるのは当然だ、そんな筈はないなんて云うほうがおかしいよ」
「なにもそう言葉尻を取ることはないじゃないか、かれらに知られたということが事実なら、こっちにも方法はあるんだ」
「但しおれを除いてだよ」
盃に口をつけて、呷るように飲んで、半之助はきっぱりと云った。
「村田の本草学が、裏にそんな意味をもっているとすると、おれが、彼とつながりのある薬園詰めになることは、谷町などの疑惑をまねくのはわかりきっている、薬園詰めになったことだけだってだ、そのうえもし、なにかおれにさせるつもりなら」