輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《山彦乙女(やまびこおとめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,360 字 · 251 頁

青空文庫

三

時を得て燃えさかる勢いは、じっさいにもっている力より外へはみ出たがるものです、そして、それは火口さえあればいいのです」

三

権之丞はたじろいだ。

登世の云うことは、さして驚くには当らないかもしれない。その思いつきも、かなり常識的で、決して奇矯なところなどはない。しかし、彼女の顔つきや、声の調子には、そのすじみちのとおった言葉とは逆に、やや狂気にちかい、異常な緊張が感じられた。

なにかがのりうつった。

冷たい手で、うしろ首を撫でられでもしたように、権之丞はちょっと息をのんだが、すぐに、はね返すような口ぶりで、「それにしても、柳沢侯は栄達の頂点に、おられる方ではございませんか、それを賭けてまで、危険な企てに乗るということがございましょうか」

「栄達の頂点にいるからです、あの方の栄達は例のないほどのもので、しかもすべて五代さま(綱吉)おひとりの御偏愛によるものです、したがって敵が多く、それが反柳沢という一つの勢いになって、相当つよい力でひろがっています、五代さまはすでに御老齢でもあり、お世継ぎは御養子で、それも壮年の甲府宰相さまですから、将軍家にもしものことがあれば、柳沢一族の運命は、おそらくひとたまりもないでしょう」