輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《山浦清麿(やまうらきよまろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,573 字 · 91 頁
『ああ、そうだったか』
『もいちど帰り給え。こんどは拙者が斬り人に立ってやる』
『いや、御好意は有難いが……止そう』
『見ていた他人の拙者でさえ腹が立つのに、残念ではないのか』
『もう、古兜など、斬りたいとも思いません。他日、もっと、もっと、大きな望みを斬り落してみせる。……だが、先刻の取乱した失礼は、おゆるし下さい。御好意は忘れずに置きます。貴方の御尊名は』
『拙者は、長州の藩士、金子重輔という者。この松代藩で有名な佐久間象山先生の名をお慕いして、遙々、江戸から廻り道して立ち寄ったが、生憎、象山先生は御不在、むなしく帰って来たところだ』
『わたくしは、赤岩村の郷士、山浦環。又どこかでお目にかかる折もございましょう』
『じゃあ、何うしても、もう試し場へは戻らんのか』
『はい。たとえ先に奸策があったにせよ、不覚はどこまでも不覚です。これから行って、長国寺の大吊鐘を斬ったところで、まだまだ、きょうの自分の気持は拭われません』
『こんな山国の藩に、象山先生のような新知識が生れたのは、不思議と思っていたが、信濃にはいろいろ変り者が居るのだな。……それもよかろう、では、おさらば』