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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁

青空文庫

「やあ、この間は失敬、ま、這入って下さい、まあまあ――」

そういわれて、もう一度振りかえると、ドアは、ちゃんと大きな口をあけている。

私は小馬鹿にされたような気もしたけれど、今更帰るわけにもゆかず、森源の後に続いて行った。

「いらっしゃいませ――」

その声! 歌に乗るような美しい声で、私を迎えてくれたのは、窓越しに見た時とは見違えるように溌剌としたルミであった。

「さあさあお前の好きなお客様だ、お茶をもって来ておくれ――」

実のところ、私はルミにお茶をとりになど行って貰いたくはない位であった。

だが、ルミは従順に頷いて、部屋を出て行ってしまった。そして、なかなか帰っては来なかった。

森源は、例の癖である小鼻に皺を寄せて、にやにやと笑うと、

「ルミは、非常にあなたが好きらしいですよ――」

「…………」

私は一寸返事に困って、唯無意味なにやにや笑いをかえした。

「実際、ルミはあなたが好きらしいのだが、――不幸なことにあれは僕なしには、一日も、いや一時間も生きてゆけないのだしね。それに、僕もあれを手離したくはないのだ、といって、誤解はしないで下さい――」

私はその森源の言葉を了解することが出来なかった。