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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁
私は、すぐに二階から駈下りた。そして、庭下駄を突かけ、道の中途までルミを出迎えた。
「まあ――」
彼女は、そういうと、頬を、はげしく痙攣させて、倒れかかるように、私の胸に靠れたのだ。私は、田舎道だとはいえ(或は人通りの尠い田舎道だったから余計に)不意を打たれたルミの大胆さに狼狽しながら、
「ま、ここでは――さあさあ」
と家に、引ずるようにして連れて来た。
その時、靠れかかったルミを、全身に受けながら、私は、奇妙な触感に一寸ばかり訝かしく思いながらも、兎も角家へ帰って、椅子にかけさせ、
「よく、来てくれましたね」
やっと、ほっとしながらいった。
「…………」
無言であげた彼女の顔は、何か非常な精神の混乱を示している泣き顔なのであった。それなのに、泪は一滴も出ていなかった。泪のない、真面に見上げた泣き顔というのは、ひどく荒涼としたものであった。
「どうしました。水でも持って来ましょうか」
さっぱり様子の呑込めぬ私は(森源と、喧嘩でもして来たのであろうか)と思いながら、ぽかんと突立っていた。
ルミは、激しくかぶりを振ると、
「あたし、おまえが好きなの、好きなの、好きなの……」