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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁

青空文庫

そのためか、真白な四肢と、深紅の水着――、それを彩る血潮との対照が、ひどく強烈に網膜につきささるのであった。

――鷺太郎は、蹌踉くように、人の輪を抜けて、ほっと沖に目をやっていた。

あまりに生々しいそれに、眼頭が痛くなったのだ。

『白藤――さん、じゃありませんか』

『え』

ふりかえると、光線除けの眼鏡の中で、山鹿がにやにやと笑っていた。

『やあ――』

彼も仕方なげに、帽子の縁に手をかけながら、挨拶した。

『すっかり御無沙汰で――お体が悪かったそうですけど……』

『いや、もういいんですよ』

『そうですか、それは何よりですね』

山鹿は白々しく口をきると、

『どうも驚ろきましたね、この人の出さかる海岸開きの真ッ昼だっていうのに、人殺しとはねえ――』

馴れ馴れしく話しだした。

『ほう、殺られたんですかね』

『そりゃそうでしょう。自殺するんなら、――それに若い娘ですもん、こんな人ごみの中で短刀自殺なんかするもんですか、もっと、どうせ死ぬんならロマンチックにやりますよ、全く――』

『へえ、でも、僕はさっきから見てたんですけど、誰もそばに行かなかったですよ……』

『さっきから見てられて、ね――』