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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁
『滅相もない、なんでわたし共が旦那様を座敷牢などに――それは御自分でお造りになったので、わたしが御食事を差し上げますのは、戸に小さな窓が開いておりまして、中から箒吉様がお開けになって受取られるほか、覗くこともお許しになりませんのでございます』
(そんなことが……。正気の沙汰じゃないぞ)
『へんな話ですねェ、で、いまもその部屋にいるんですか』
『さあ、それが、真夜中なんかに、ふいとお出掛になられますので、ハッキリ申し上げられませんけど、今日は御食事のお知らせもございませんし、……多分お出掛と思いますけど……』
『兎に角』私は(ここまで来たついでだ。)
と思うほかに、いよいよ不安が増して来たので
『兎に角、一度その部屋をみせてくれませんか――』
とばあやに案内してもらって、その部屋へいってみた。
成るほどその部屋は、頑丈な、分厚つそうな樫のドアーに堅く閉され、一寸、押してみた位ではびくともしなかった。
耳を澄ましてそのドアーに押しつけてみると、中ではただタチタチタチと、時計の音が絶え絶えに響いているばかりであった。
(一体、これはどうしたというのだ……)
私は、むくむくと入道雲のように拡がる不安と、様々な想像とを倍加されただけでむなしく帰らなければならなかった。