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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
線上閱讀吉野 作造《憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず(けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 頁
しかして田舎は即ち保守的思想の確実に維持せらるる処、都会は即ち過激なる進歩思想の横溢する処である。故に理論はともかくとして、保守党は旧制を維持するを利益とし、進歩派は人口の移動に従って選挙区の分配を改造する事を利益とする。こういう点からして独逸帝国においては、政府と在野進歩派との間に多年選挙区の分配改造に関する争いがある。独逸今日の選挙法は一八六七年の人口調査を基礎として居る。その当時の人口は三千九百七十万、そこで人口十万人について代議士一人の割合として議員定数を三百九十七人とした。しかるに最近の調査によれば、人口の全数は増して六千五百万に達し、その増殖の割合は都会に多く田舎に少ない。一八六七年の当時は、人口十万以上の都会の人口は、全体の人口の一割五分六厘であったが、現今は二割一分四厘となって居る。現に伯林の如きは人口三百万に達するのに、五十年前の調査を本として、僅かに六人の議員を出して居るのみである。故に進歩派から見れば、もしも選挙区の分配を適当に改むるならば、自分達の党派の議員の数が、更に著しく増すという見込がある。その実益の点は暫く措いて、かくする事が正当であると主張してこの問題を争って居る。